凛冽の宙/幸田真音

第二章 「獲物」で、相対する坂木と古樫が、同じようなことを立場なのが印象深い。
古樫のセリフ

「だから言ってるのさ。自分でちゃんと目を見開いて、世の中を見ればいいんだよ。だったら、餌食にされることもないのに。」

坂木の心情

 一度打ったモルヒネが切れると、その痛みをつかの間和らげるだけのために、また次のモルヒネを要求してくる。
 すべてが、なぜにああまで他人任せで、どうしてあんなにも平然としていられるのか。


金融の詳細が理解できれば、もっと面白い(恐ろしい)感想を持てたのだと思う。



以下、amazon.co.jpの紹介文

出版社 / 著者からの内容紹介
ベストセラー「日本国債」に続く長編経済小説国債のディーラーたちに取材を重ね、約14万部のベストセラーになった「日本国債」では、日本が抱える財政問題に焦点を当てて、日本国債のディーラーたちと政界・官界との熾烈な抗争を描き大変な反響を呼びました。今回の小説では、ここ数年来の経済の最も深刻な問題であり、いまだ全貌がつかみきれない「不良債権」にスポットを当て、バブル経済が破綻したあと、不良債権がどのように隠蔽されてきたか、そしてその弊害がどのように経済全体、ひいては国民の税金までをも蝕んできたかを、証券会社や投資顧問会社の内幕を通して描いています。前作に続いて、また話題になる一作であることは間違いありません。
内容(「BOOK」データベースより)
「損失先送り商品」「サービサー」「バルク買い」―綿密な現場取材をもとに描き出した、不良債権に群がるカネの亡者たちの凄絶な闘いと日本経済の闇。不良債権の内幕小説。