eの悲劇/幸田 真音

短編集。
この作家を紹介されたとき、なんとなく経済小説と思ったが、
そして、もちろん、金融の場が舞台になってはいたが、
人間ドラマがしっかりと描かれていた。
結局、金融は、人の生活に大きく関わっているということだろうか。
金融関係は道の世界なので、楽しかった。
これからも、あまりむずかしく考えず、こういう関係の本に触れていけたらと思う。



以下、amazon.co.jpの紹介文

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前作『日本国債』で、国債の危うさと秒刻みの勝負を挑むトレーダーの緊迫感を描いた著者が、eビジネスとe社会に翻弄される人たちを描写したのが本書である。主人公の篠山孝男は50代半ばの元金融マン。信託銀行から「抱えきれないほどの野望を抱いて」アメリカ系証券会社に転職し、チーフ・トレーダーとして活躍した過去を持つ。その主人公が再就職先に選んだのは警備会社。皮肉にもガードマンとして大手金融企業の警備をすることになった主人公が遭遇するできごとが短編にまとめられ、4話連作の形をとっている。
ネット起業家として脚光を浴びながらも子飼いの社員に手酷い仕打ちをされて自殺未遂に追い込まれる40代男、女優を辞めて米国系経済専門通信社のアナウンサーになった20代の女性、カードキーのパスワード入力すらおぼつかない機械オンチの元アパレルメーカー部長、Y2K問題対応のために大晦日に金庫の点検をする金融マン。



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